秋の味覚の代名詞「銀杏」。
茶わん蒸しや塩焼きなど、その独特の風味がたまりませんよね。
そんな銀杏ですが、
食べすぎると中毒を引き起こしてしまうことを
ご存知の方も多いはず。
しかし、一体どの程度の量を摂取すると
中毒症状になるのか疑問ですよね?
そこで、銀杏の中毒症状と、
その摂取量についてご紹介いたします。
目次
食べすぎ注意!銀杏中毒の症状とは?
銀杏はイチョウの種子のことで、
外の殻を割って中の実を食べています。
緑色をした実は、水分を吸うと黄色くなり、
柔らかく、独特な食感があり、
古くから秋の味覚として親しまれてきました。
苦みがあり、嫌なにおいを放つことで敬遠される方もいますが、
ドイツでは医薬品として認められる程、
銀杏には体に良い栄養素が含まれています。
生の場合は去痰・殺虫効果があり、
加工すると滋養強壮、去痰・鎮咳作用があります。
また、認知症や、記憶・脳機能障害、
末梢循環障害が改善したという臨床結果もあります。
しかし、その銀杏を大量に摂取すると、
様々な中毒症状を引き起こしてしまいます。
≪銀杏の中毒症状≫
- 腹痛
- 嘔吐
- 下痢
- 頻脈
- 消化不良
- ふらつき
- 痙攣
- 呼吸困難
- 意識消失
- ショック症状
上記のような症状のほか、
重症になると死亡に至るケースも報告されています。
なぜこのような中毒症状が起こるのでしょうか?
それは、銀杏に含まれる「メチルピリドキシン」
という成分が関係しています。
この成分が、体の中で重要な働きをしている
「ビタミンB6」の働きを阻害してしまうのです。
少量であれば、肝臓で分解されますが、
大量に摂取することで分解が追い付かなくなり、
ビタミンB6不足に陥ります。
ビタミンB6は、タンパク質の分解・合成を助け、
皮膚や粘膜の健康維持に働きます。
神経伝達物質の合成にもかかわるため、
このビタミンB6 が不足すると、
頻脈、めまい、嘔吐・痙攣といった症状を
引き起こしてしまうのです。
銀杏の中毒症状は、
食後1時間~12時間ほどであらわれ、
24時間ほど症状が続きます。
始めは症状が軽くても、
徐々に重症化するケースもあります。
銀杏を食べた後に、少しでも不調を感じたら、
早めに医療機関を受診することをお勧めします。
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銀杏は何個までなら食べても大丈夫なの?
銀杏中毒は、大人よりも子供の方が
重症化しやすい傾向にあります。
毒素を分解してくれる肝臓がまだ未発達のため、
少量摂取しただけでも毒素の分解が追い付かないのです。
そのため、大人と子供では摂取目安が大きく異なります。
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≪銀杏の摂取目安≫
- 大人・・・30粒程度
- 子供・・・5粒程度
[/colored_box]
ただし、こちらはあくまでも目安です。
人によっては一粒食べただけでも
中毒症状に陥る場合もあります。
周りがぱくぱくと食べているからと言って、
真似をするのは非常に危険です。
特に子供の場合は、大人がおいしそうに食べていると
真似をしたがる傾向があります。
食卓に銀杏を出す場合には細心の注意が必要です。
大人も子供も、一粒ずつ様子を見ながら
食べると良いでしょう。
また、ビタミンB6 のサプリメントを
事前に摂取しておくと、
わずかながら中毒症状を回避する効果があるようです。
そして、肝臓機能が未発達な5歳未満の子供には
絶対に食べさせないようにしましょう。
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おいしいものには毒がある・・・
独特の食感とにおいのある「銀杏」。
和食では、その風味と共に、
料理に彩りを与えてくれる食材として重宝されています。
適量を守れば、非常に体によく、
健康をもたらしてくれる成分が豊富に含まれています。
しかし、油断をすると私たちにするどい牙をむけます。
なんでも食べすぎは体に毒!
銀杏を食べる際は十分に注意してください。
そして、少しでも不調を感じたら、
「このくらいなら大丈夫だろう」とは考えず、
早めに医療機関を受診しましょう。