消費税の増税に伴い、現在検討されている「軽減税率」の導入。
連日ワイドショーや新聞などで取り上げられていますが、
そもそも軽減税率って、一体どのようなものなのでしょうか?
導入されることによるメリット・デメリットは、
どういったことがあるのでしょうか?
今回は、軽減税率について、わかりやすく解説していきます。
目次
軽減税率って何?どんなものが対象になるの?
軽減税率とは、一体どんなものなのかというと、
一言でいってしまえば、
「標準の税率より低い税率のこと」です。
例えば、100円の水を購入したとします。
現在の消費税8%の場合、
100円 + 消費税8% =108円
が実際に支払うお金になります。
これに軽減税率5%が導入された場合、
100円 + 軽減税率5% = 105円
というように、支払う金額の負担が少なくなるのです。
消費税が10%に引き上げられると、
100円の水が110円に値上げされてしまうため、
消費者への負担が増加してしまいます。
そこで、生活に必要なものは、
税金を低いまま据え置きましょう、
というのが、「軽減税率」というわけです。
この軽減税率を導入している国は、
イギリス、ドイツ、フランスなど、EU加盟国に多くあります。
税金の平均は20%と、かなり高く設定されていますが、
その分、生活必需品に関しては5%の税率と、
消費者の負担を軽くしています。
日本で軽減税率の導入が検討されているのは、
生活に必要なもの、だれでも購入するものなどです。
- 外食を除く食料品
- 衣服
- 医療品
- 住居
確かに、これらを増税されてしまうと、
家計に大打撃ですよね。
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軽減税率のメリットとデメリットとは?
今現在導入が検討されている軽減税率ですが、
メリットをデメリットは、
どういったことがあげられるのでしょうか?
≪メリット≫
・税負担の軽減を実感しやすい
税金が上がっても、
生活必需品は低い税率のままになるため、
税金負担の軽減を実感しやすくなるんですね。
・低所得者の生活に増税の影響が直撃しない
生活に必要なものに税金がかからなければ、
負担は大幅に減らすことができます。
≪デメリット≫
・生活必需品の線引きが難しい
生活必需品と言っても、生活スタイルによって、
必要かどうかは家庭によって異なりますよね。
仮に、お米は軽減税率の対象になるのに、
お菓子が対象外の場合、
同じくお米を使っているおせんべいや
米粉を使ったケーキなどは軽減されないのか?
外食が対象外だとしても、
社食や学食、給食といった公共性のあるものはどうなるのか?
・・・などなど、
その線引きは非常に難しいものがあります。
また、お肉が軽減税率が適用されるにしても、
低所所得者には縁のない、
国産高級和牛も軽減税率が適用されるのかというと、
それもなんだかおかしな話な気がします。
・生活必需品以外の税率がより高くなる可能性がある
生活必需品を増税対象外にすることで、
税収は大幅に減ってしまいます。
結果的に、生活必需品以外の税率を
より高くしなければいけないことに
なってしまう可能性もあります。
・税率が異なると事務負担が増える
取り扱っている商品ごとに税率が異なると、
お店などの事務負担が増えることになってしまいます。
レジ作業にしても、
「白菜3%、お米3%、お酒10%、お菓子10%、お肉3%、
あ、違った、高級和牛だから10%・・・
ここからセールとして5%OFF・・・でもお酒は除いて・・・」
あー!ややこしい!
買う側にとっても売る側にとっても、
ややこしいことこの上ないですね。
消費者にしてみれば、
少しでも安く買いたいと思うのは当然のこと。
しかし、買い物中に「あれは対象内、これは対象外」と、
すべてを覚えておくのはちょっと無理があります。
・低所得者対策としては非効率
生活必需品を買うのは、
何も低所得者だけではなく、
国民全員が購入するものです。
「増税されても別に家計は痛くないよ」
という家庭も負担が減るわけですから、
生活が苦しい家庭への対策としては不十分です。
さらには、より多く商品を買った方がお得になるので、
消費金額の多い層の方が、
得することになってしまうという、
なんとも穴だらけな対策でもあるのです。
こうしてみてみると、
デメリットの方が多い軽減税率。
検討中とはいえ、
首をかしげたくなるようなことが多くあります。
消費税10%への引き上げが決まっているだけに、
早急によりよい対策をお願いしたいところですね。
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おわりに
今回の軽減税率もそうですが、国の税金関係って、
わかりにくいものが多い気がするのは気のせいでしょうか?
メリットやデメリットが分かりにくかったり、
私たちの暮らしにどう影響するのかが、
不透明だったりしますよね?
税金は、「わかりやすく」、「公平に」、「払いやすく」を
大切にしてほしいところ。
消費税増税前に、
しっかりした負担軽減の対策を行ってほしいですね。