グローバル化に伴い、
日本では20組に1組の割合で
国際結婚のカップルが誕生しています。
しかし、日本人同士で結婚する際にも
さまざまな手続きが必要となりますが、
国際結婚となればそれ以上に
いろいろな手続きが必要になります。
さらには、
「国際結婚は永住権や居住査証取得の近道」
という背景もあるため、
偽装結婚も急増しており、
国際結婚の手続きが年々複雑化しています。
今回は、
そんな国際結婚の手続きについてご紹介します。
目次
国際結婚の手続きとは?
国際結婚の手続きには、
二通りのパターンがあります。
- 最初に日本の役所に婚姻届を出して、後で相手国(在日大使館・領事館)に届け出をする
- 最初に相手国の在日大使館、または領事館で届け出をし、その後日本の役場に届け出をする。
今現在、居住の場が日本にある場合は、
1のパターンが比較的手続きがしやすいため、
今回はこちらのパターンでの手続きをご紹介します。
【手続き1】まず、結婚するために必要な書類を用意します。
・婚姻届
日本の役所で婚姻届をもらいます。
結婚の証人として、世帯が分かれている、
成人二人の署名・捺印が必要になります。
・戸籍謄本(日本人)
本籍のある市町村で発行されます。
本籍地が、婚姻届を提出する場所と
同じ市町村にある場合は必要ありません。
・婚姻要件具備証明書
外国人婚約者が独身であり、
国籍のある国の法律により、
結婚することに問題がないことを証明する文書です。
日本語の訳文を、
翻訳者の氏名も記入の上、一緒に提出します。
婚約者本人が翻訳してもかまいません。
・パスポート
婚約者の国籍を証明するために必要です。
以上の書類をまず用意しましょう。
【手続き2】日本の役所・在日大使館・領事館に問い合わせる
手続き1と並行して行いたいのが、
役所・在日大使館・領事館への問い合わせです。
結婚するにあたって必要になる書類や、
手続きの確認を行います。
婚約者の国籍によっては、
婚姻要件具備証明書が発行されない場合もありますので、
それに代わって必要となる書類を確認しましょう。
婚姻要件具備証明書が発行されない国は、
インド、パキスタン、バングラディッシュなどです。
必要な書類の発行に関して、
- どの手順でおこなうか
- どのくらいの期間か
- 料金はいくらか
- 受付時間はいつか
などの細かい部分も確認しておくといいでしょう。
【手続き3】必要な書類を集めて、役所に提出
婚姻届けや、その他必要な書類を
すべて市区町村の戸籍課窓口へ提出します。
提出された書類が要件を満たしていれば、
その場で婚姻届が受理され、
めでたく日本での結婚が成立します。
しかし、要件を満たしていないと判断された場合は、
書類をいったん預け、
法務省の「受理紹介」へ出されて、
判断を待つことになります。
判断を待つ、「受理伺い」の手続きが取られていると、
正式に婚姻届が受理されまでには
1~3か月の時間がかかります。
また、法務局から二人に直接呼び出しがあり、
相手の本国の法律によって、
結婚できる条件を満たしているかどうかの聞き取り調査があります。
提出する前に今一度
しっかりと確認するようにしましょう。
【手続き4】婚姻届受理証明書を発行してもらい、在日大使館・領事館に提出する
日本の市区町村で婚姻届が受理されると、
婚姻届証明書を発行してもらえます。
これは、日本で正式に結婚が成立したことを証明する文書で、
相手国の在日大使館・領事館に提出するときに必要となります。
この婚姻届受理証明書と、
その他必要な書類を合わせて、
相手国の在日大使館・領事館に提出します。
書類に不備がない場合は、
受理されて、相手国側でも正式な結婚が成立します。
成立した後は、相手国側でも
婚姻届受理証明書を発行してもらえます。
これは、この後の「日本人の配偶者等」という
在留資格(配偶者ビザ)への
変更申請をする際に必要となります。
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結婚後の注意点とは?
結婚したからと言っても、
自動的に日本に住めるようになるわけではありません。
新婚生活を安心して始めるためには、
在留資格、いわゆる配偶者ビザを取得する必要があります。
日本で生活を始める場合には、
すでに何かの在留資格で、
配偶者となった相手が日本にいる場合は、
日本の入局管理局へ配偶者ビザへの変更の手続きをします。
在留資格の変更は義務ではありませんが、
「日本人の配偶者等」へ変更しておくと、
就労の制限がないなど、より日本で暮らしやすくなります。
申請の期間は、
1年と3年で選ぶことができ、
それぞれの期間が切れるごとに
再度申請が必要になります。
配偶者等の資格を取得して3年たつと、
永住権の取得資格を得ることができます。
さらには、
市区町村に外国人登録を行い、
外国人登録証を発行してもらいましょう。
この外国人登録証は、
常に携帯していることが義務付けられていますので、
忘れずに行いましょう。
また、結婚後の姓ですが、
日本人の戸籍を変更しない場合は、
姓はそのままになり、
パスポートに相手側の姓を()内に記載することができます。
国際結婚の場合は、
夫婦別姓も認められているため、
二つの姓を持つこともできます。
姓を相手側のものにしたい場合は、
婚姻届が受理されてから6か月以内に、
在日大使館・領事館で手続きを行えば、姓を変更することができます。
姓を変更した場合は、
カタカナ表記になります。
6か月以降に変更する場合は、
複雑な手続きが必要となりますので、注意が必要です。
国際結婚のカップルは、
何かを変更する際に、
法的に複雑な手続きが必要になる場合が多くあります。
婚姻届を提出する際には、
パートナー同士よくよく話し合い、
二度手間にならないようにしておきましょう。
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おわりに
上記の手続きは、あくまで基本的なものです。
相手の国によっては、
さらに複雑な書類や申請、手続きが必要になるため、
よくよく確認することが必要になります。
「手続きに時間がかかりすぎて、
記念日に結婚できなかった」、
なんてカップルもいるようです。
日本人同士でも、
細かい変更を含めれば、
結婚の手続きは何かと大変なものです。
国際結婚ではなおさら大変になるでしょう。
そんな大変な手続きを乗り越えて、
正式に夫婦となれるように、
お互いが助け合えるとよいですね。