勤労感謝の日は1948年に制定された国民の祝日の1つで
「勤労を尊び、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう日」、
とされていますが、
以前は「新嘗祭(にいなめさい)」と言われていました。
なぜ名称が変更されたかというと、
日本がアメリカとの戦争に負けたからです。
日本の古くからあるしきたりや習慣を消し
欧米の習慣に変えようとする占領政策の1つでした。
新嘗祭とは?
新嘗祭とは、その年の五穀の収穫を神様に感謝して
お祝いする風習で今も続いている、
古来からある皇室の大事な行事の1つです。
儀式として形が定まったのは
飛鳥時代の皇極天皇の時。
その年の新穀を天皇が神様に捧げ、
自らも食します。
今では廃れてしまいましたが、
民衆もこの日まで新米を口にしない
習慣がありました。
当日は宮中で天皇が1人正座され神様と向き合います。
1度の祈りは2時間。
それを2回、合計4時間に及びます。
毎年1300年以上続いている皇室の重要な神事なのです。
また、天皇が即位の礼の後の最初の新嘗祭のことを
大嘗祭(だいじょうさい)といいます。
今上天皇の大嘗祭は1990年(平成2年)のことでした
(その年の11月12日が即位の礼)。
もともと日本は豊かな自然に恵まれた農業の国。
収穫を感謝する習慣は民衆にとって自然に生まれ、
国の大事な行事となっていたのです。
[ad#co-1]
このような収穫を感謝する習慣は
世界中で見られます。
世界の勤労感謝の日
秋になると多くの地域で似たような祭りが開かれます。
オクトーバーフェストは、
ドイツの有名な収穫祭。
日本でもすっかり広まったハロウィンも、
もともとはケルト民族の収穫感謝祭でした。
アメリカには9月の第1月曜日に
レイバーデイ(Labor Day:勤労の日)という
日本でいうとメーデーのような行事があります。
また、新嘗祭のような収穫を感謝する
「Thanksgiving」(感謝祭)が
11月の第4木曜日に行われます。
占領国軍(GHQ)はこの2つをあわせた
「Labor Thanksgiving Day」という名称を
考案しました。
その日本語訳が「勤労感謝の日」ということなのです。
[ad#ad-2]
その他の変更された祝日
このように他の祝日でも神事と深い関わりがあると
判断された祝日の名称は変更を
余儀なくされました。
2月11日の「建国記念の日」も元々は「紀元節」でした。
「日本書紀」の記述を基に初代天皇の神武天皇が
即位したと決められた日です。
「春分の日・秋分の日」も
「昼と夜の長さが同じ日」として知られていますが、
本来は「春季皇霊祭・秋季皇霊祭」という
皇室の先祖の霊を慰める重要な神事が行われる日です。
このようにいくつかの祝日の中には、
本来の日本の姿が隠れているのです。
この記事へのコメントはありません。